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佐藤 治夫
JNC TN8400 99-060, 12 Pages, 1999/10
ベントナイト中の見掛けの拡散係数(Da)に及ぼす珪砂混合の影響を評価するため、Na型ベントナイト(クニゲルV1)を対象として、Cs(Cs+), Ni(Ni2+), Se(SeO332-)のDaを乾燥密度1.8Mg・m-3、珪砂混合率30wt%、室温の条件にてin-diffusion法により測定した。Cs及びNiについては大気雰囲気下で、また、酸化還元電位に敏感なSeについてはAr雰囲気の低酸素条件(酸素濃度0.1ppm未満)で測定した。その結果、Cs及びSeのDaには珪砂混合の影響は認められず、得られたDaは、これまでに報告されている珪砂が混合されていない系での値と同程度であった。一方、Niについては、珪砂混合系でのDaは混合されていない系での値より2桁小さい値が得られた。これまでに報告されているNiのDaは安定同位体のトレーサを用いて測定されており、本研究で用いたNi濃度よりかなり高い濃度のトレーサが使用された。さらに、クニゲルV1の主要粘土鉱物であるNaモンモリロナイトに対するNiの分配係数(Kd)は、Ni濃度の増加に伴って小さくなることが報告されている。このことから、珪砂混合系でのベントナイト中のNiのDaが大きく減少したのは、間隙水中でのNi濃度の違いによる収着の違いによるものと考えられる。
渡辺 勝利; 小川 豊; 菊地 正彦; 近藤 達男
耐熱金属材料第123委員会研究報告, 20(3), p.283 - 290, 1979/00
中性子照射したハステロイ系合金の高温延性の低下はこれまで主としてB(n,)Liなる核変換反応によるヘリウム生成との関係から検討されてきた。しかしながら、比較的高い熱中性子照射領域での結果はこの関係からのみでは説明できない。これには上の反応に加えて、Ni(n,)Ni(n,)FeなるNi2段反応を導入することにより説明が可能であることを実験データと対比させて検討した。これにより比較的高い熱中性子照射領域での高温延性の低下を矛盾なく説明できることを明らかにした。